HUMOの技術

搬送技術

MLCC搬送技術

世界最速の処理能力
33,000個検査/1分を実現

MLCC(Multi-Layer Ceramic Capacitor)は、大きさ数ミリから0.1ミリに近いものまである小型から超小型の部品です。チップコンデンサ、などとも言います。この部品を高速搬送するために、まず、千数百個もの小穴を開けた搬送円盤の、その全ての小穴(ポケットと呼んでいます)にMLCCを1つずつ正しい向きで入れるのです。ちょっと考えると不可能にも思える事ですが、1分間に33,000個を測定・分類するMLCC自動選別機は、これが可能になったことから実現しました。
その方法は、まず、MLCCを搬送円盤に隣接した狭い空間(バケットと呼んでいます)に投入し、その空間内に空気流を起こし、MLCCを舞い上がらせて攪拌します。同時に、搬送円盤のポケットに吸い込む空気流を発生させます。この2つの空気流の働きで、搬送円盤のポケットにMLCCを正しい向きで挿入することができます。しかも複数個のポケットに同時に挿入が可能です。この機構をエアバケットと名付けています。当社の特許技術の1つです。
エアバケットが考案される前は、パーツフィーダーでMLCCを1列に整列させて搬送し、1つずつ搬送円盤のポケットに挿入していました。パーツフィーダーは振動で小型部品を整列させながら搬送するもので、現在でも多くの分野で使用されていますが、複数個のポケットに同時に挿入することは困難で、速度向上の妨げになっていました。高速処理を実現するには、複数個同時挿入できる手段が必要だと考え、多くの試行錯誤の後に、このエアバケットが考案されました。
エアバケットによる同時挿入個数も、当初は同時に4個でしたが、現在は8個同時挿入が可能となり、世界最高速を実現しています。

極⼩、極薄部品の搬送技術

極小の検査対象物を、整列させず、散らばったままで正確に搬送する

当社は、1975 年から2025 年までの50 年間にわたり、⽔晶ブランク関連装置の開発に取り組んでまいりました。
その中で、極⼩・極薄の⽔晶ブランクを、安全かつ確実に搬送するための独⾃技術を確⽴しています。
⽔晶ブランクは、縦横数ミリから1 ミリ以下、厚さ数⼗ミクロンから数ミクロンのごく薄い⽔晶⽚であり、ガラスと同様に透明または半透明で、⾮常にもろく壊れやすいため、搬送には細⼼の注意が必要でした。
従来は、MLCC などと同様に、パーツフィーダーで⽔晶ブランクを整列させたうえで、測定ステーションへ搬送していました。しかし、パーツフィーダーは振動によって部品を搬送する⽅式であるため、⽔晶ブランクのように⼩型かつ極薄の部品では、軽すぎて振動が伝わらず搬送できなかったり、薄すぎて部品同⼠が重なって詰まったりといったトラブルが頻発し、整列搬送が困難になっていました。
こうした課題を解決するため、当社では発想を転換し、⽔晶ブランクをあえて整列させず、供給ステージ上にランダムに散 らしたままの状態で扱う⽅式を開発しました。
各ブランクの位置は⾼精度カメラで検出し、その位置情報をもとに、搬送アーム先端のノズルで個別に吸着して、正確に 1個ずつ測定ステーションへ搬送する仕組みです。
さらに、供給ステージ上で重なった⽔晶ブランクは⾃動的にスキップし、重なり品のみが残った際には、供給ステージを軽く 振動させて部品を再分散。その後、再び重なっていないブランクから順に搬送を⾏うことで、効率的な連続搬送を実現しました。